[2 戦時下の市民生活]

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 日露戦争の開始と共にこの函館では、要塞を警備するために第七師団第二八連隊第二大隊が旭川から派遣され、また要塞地帯を中心に戒厳令が敷かれたほか、函館港には「防禦海面令」が施行される等の措置が矢継ぎ早に講ぜられた。そこで、こうした状況下での函館の市民生活とは、一体どのようなものであったのか、といった点を中心に述べてみたい。
 まず最初に、この函館区の海陸に渡って施行された防禦海面令と戒厳令が、市民生活にどのような影響を与えたか、という点を検討しておこう。