『北海戦争日誌』(弘前藩)には、
御達ニ依リ弊藩高杉左膳、小山内織兵衛一中隊先鋒ニテ暁二時三十分七重浜ヲ発シ、天明(夜あけ)桔梗野ヘ着シ処、弊藩一中隊ハ賊ノ胸壁正面ニ向テ撒布、松前一中隊ハ左手ヘ、長州一小隊ハ其左ヘ、薩州半隊ハ右手ヘト布陣シ、第五時二十分ヨリ九時三十分迄攻撃ノ処、藩ニ弾薬乏シク、次第ニ砲声打絶ヘ、加之味方足場悪シク、賊ハ胸壁ニ拠リ弾丸甚タ繁シ、追々死傷打重リ候間、弊藩一中隊決死ノ覚悟ニテ抜刀奮戦、直ニ胸壁ニ斬入候処、賊勢畏懼逃走、追詰テ三人ヲ斬リ、台場胸壁共八ケ所乗取申候。第十一字二十五分直ニ亀田村ヘ相進ミ、七重浜本道ノ兵ト相合シ申候。
と記され、弾薬が欠乏し、ついに決死の覚悟で斬り込みを行い、ようやく官軍側が台場を落とすことができた。