「函館県小学校則」 (明治十六年)の第二章は生徒心得であり、二十五か条から成っている。孝順、愛国心、教師を尊敬、長上には恭敬、信義、学業につとめる、労苦、洗顔、髪をすく、あいさつ、車馬に注意、忘れものをしない、時間を守る、落書をしないなど具体的に基本的生活習慣について諭したものである。
同十七年には『小学生徒心得』として刊行され、次のような広告が新聞に載っている。
「小学生心得 全一冊定価金五銭八厘
右は本県教科書にて著色の密画を挿み、各生徒必携の書なり出版仕り候間御購求あらんことを乞う」(明治十七年十二月七日)
また、「小学校則」(明治十三年一月本庁布達)の中には、『教場規則』『食事規則』『遊歩場規則』を明示して、生徒の生活が学校において規制された。『函館県小学校則』(明治十六年三月)によれば、『生徒罰則』が規定され、留置と減点法を採用して、生徒の生活を指導した。