自治意識と社会慣習

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 戸長役場の設置による統治は、幾度も分合が行われ、明治三十五年の二級町村制施行によって、亀田村が新しく発足した。しかし、戸長及び村長は任命制であって、村民の選挙によるものではなかった。いわば転任する公務員的存在としての村長であった。しかも、ある時は一か月程度で転任することもあり、一年間に数人に及ぶ任免が行われることもあった。ただ村会議員や村総代の選出が行われるようになって、ようやく自治意識が芽ばえたが、それも有資格者に制限があり、女子は除外され、男子も相当の資産を有していなければならなかった。