ごく初期には、畑をたがやさずに、前年耕作したあとのうねの間に直接肥料をまき、種子薯を置いていって、土をかぶせるだけであった。やがて、土を深く起し、土をやわらかくすることによって収量もあがるということを知り、鋤で起したり、馬にプラウをひかせて畑を深く耕してから種子薯をまくようになった。肥料は、まず堆肥を並べ、その上に人糞をかけるのが普通であった。堆肥がない人は人糞だけを使っていたし、生わらを使っている人さえいた。
過燐酸を入れると澱粉質が多くなって、よく粉のふく薯が出来たが、肥料にはお金をかけず、四月中旬から下旬にかけて種子薯を植え付けるのが普通であった。