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 馬を大事にする家では、登録証や血統証明書をつけて、大事に扱った。病気で特に心配なのは虻(あぶ)などにより、伝染させられ骨と皮だけになって死ぬという伝貧であり、その予防のために必ず検査を受けなければならなかった。また、馬虻と馬の胃の中に寄生する虻の幼虫を駆除しなければならなかった。
 昭和十年代では先述したように一〇〇頭以上の子馬が生まれているが、斃死する馬数も、昭和十年四九頭、昭和十一年三五頭、昭和十二年四九頭、昭和十三年四四頭、昭和十四年三二頭、昭和十五年五〇頭とかなりの数にのぼっている。
 また雄馬は発情をおさえるために三歳になると去勢手術を受けなければならなかった。亀田ではこれをキンキリ(ぬき)と称して、村役場から通知が来ると指定された場所に連れて行った。
 馬の飼料は、夏は青草が中心で、そのほかふすまやぬかなどを与え、冬は乾草ととうもろこし、きびがらなどを与えた。