耕地防風林は農耕地の保護と増収を図る上で大切なものであり、特に本道のような寒冷地農業にとっては欠かせぬもので、事実、冷害、風水害などの凶作時にはかなりの効果をもたらした。農耕地保護のためにすでに国有防風林は造られていたが、それは方向、距離などが不充分なために充分な効果を挙げてはいなかった。そこで、道では昭和八年四月「耕地防風林造成奨励規程」を制定し、今まで町村ごとに国有防風林を幹線とし、その間の耕地に対し適当な間隔を置いて縦横に小規模な防風林を設置させていたものを一歩おし進め、延長五〇〇メートル以上の共同防風林を設置する場合、苗木代、植付費などに五割以内の補助金を交付して奨励した。
昭和十年度よりこの事業は造林奨励事業の一部に編入され、同事業の一環として全道の農耕地を調査した。その結果、全道の耕地面積九五万町歩中、防風林を造成しなければならない耕地面積は六五万町歩であることが判明した。そこで早速本道国有樹種以外のからまつ、ポプラ、欧州とうひなどを中心樹種とする耕地防風林造成計画がたてられ、昭和十年から十六年までの七年間に造成面積六、五〇〇町歩を補助額三三六、〇〇〇円により造成することになった。なお、この規定は昭和二十四年度まで行われた。