防風林調査

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 昭和十年に防風林の調査をしたことは先述のとおりであるが、桔梗の園田牧場について次のような記録がある。

園田牧場の防風林

   防風林調査書(園田牧場)
(一)防風林の現況
 幅員 参間乃至拾参間、延長 参百七拾六間、面積 拾八町参反歩
 常風及暴風ニ対スル方位  直角及四十五度ノ角度ヲ以テ相対ス 防風ヲ目的トセル地種 畑及宅地 防風ヲ目的トセル大サ 壹百六拾町、目的地ニ対スル防風林ノ位置 中央ヲ貫通シ四周ニ位置ス
 
(二)樹種、樹間距離、直経、樹高
 樹種 ポプラ及落葉松、樹間距離 六尺、直径 一尺二寸(ポプラ)六寸(落葉松)、樹高 拾壹間(ポプラ)七間(落葉松)
 
(三)植栽年月 樹齢
 樹栽年月 明治三十三年(ポプラ)、明治四十年五月(落葉松)
 樹齢   三十五年(ポプラ)、二十八年(落葉松)
 
(四)手入管理方法
  同箇所ハ開拓使所属緬羊場ニシテ広漠タル原野ニシテ樹林ナカリシモ植生及動物生育ノ促進ヲハカルハ実ニ植樹ニ原因ストノ見地ヨリ第一回植樹ニ赤松ヲ選ビタルニ野火ノ被害ヲ受ケテ後、落葉松ノ植栽ヲナスコトニシ大部分ハ之ヲ以テ進ミ速成箇所ハポプラヲ選ビ原野ノ真只中ノ植栽トテ風衝関係ヲ考慮シ三尺以下ノ樹間ニテ植栽シ以後間伐除伐ヲ励行シ今日ニ至リ。
  今後落葉松ノ生長阻害ニ鑑ミ椴松ニ改植セント計画シ手入管理充分ナリ。
 
(五)生育状態
   ポプラハ亭々トシテ生育旺盛ナルモ落葉松ハ潮風ノ被害ヲ受ケ稍頭ヲ損ジ生長不良ナリ。
 
(六)経歴及防風林設置ノ動機
   所有者ハ開拓使当時ヨリノ牧場経営経験者ニシテ植生及動物発育上防風林関係ノ相対的重要性アルヲ痛感シ万難ヲ排シテコレヲ設置シ今日ニ至リ、地方ニモコレガ設置ノ急務ヲ勧奨スル篤志家タリ。
 
(七)防風林トシテノ効果及推奨セントスル事由
    東南風及北西風ヲ充分防除シ農耕ノ成績顕著ナルモノアリ、地方防風林造成ノ指導地タリ依ッテコレガ設置ノ必要ヲ痛感シコレガ造設ニ成功シ地方指導ノ先駆タルヲ以テコレヲ推奨セリ。