竹細工

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赤川の竹細工

 亀田村の特色ある工産に竹細工がある。原材料になる笹竹は赤川の奥に自生していた根曲り竹であり、この笹竹の生産量は、大正十年には一、六〇〇束 八〇〇円、大正十一年には二、〇〇〇束 四〇〇円であった。
 製造戸数は十数戸で、その大部分は赤川に集中していた。例えば、昭和十六年には一一の製造戸数があったが、その内訳は、赤川九、中野一、桔梗一であった。これら製造場では、はじめ先進地から竹細工の熟練工を講師として呼び、製造方法を習得した。この作業は、農閑期である晩秋から翌年の早春まで続き、暖かい日は縁先で、冬期間はストーブのない納屋で作業を行ったという。
 主な製品は、笊(ざる)と籠(かご)であり、農業用の馬かご、いもかご、目ざる、それに北洋などで使用される漁業用の籠も生産した。漁業用の物は、三月三十一日の納期に間に合わせて、主に日魯漁業株式会社に納めたという。作業が忙しくなってくると家人だけでは人手が足りず、青森県などから経験者を一時的に雇って急場をしのいだ。
 各年の製造場数と生産額は次のとおりである。

[各年製造場数と生産額]