その他の生産物

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 農家では大豆から自家用の味噌(みそ)を各戸ごとに作っていたが、市販用の味噌、醬油(しょうゆ)は、明治十七年設立された〓茅原味噌醬油醸造工場(本町二〇番地)で製造され、生産高は次のとおりである。

[その他生産物生産高]

 その他、藁(わら)製品を製造している戸数は、大正時代から昭和にかけて約一〇戸ばかりであった。製品は主に縄類や履物類で、生産額は大正十四年 三八〇円、大正十五年四〇〇円、昭和四年 三五〇円と少なかった。以上亀田村の工業を概観してみると山に近い赤川方面では根曲り竹を加工する竹細工、水利の良かった桔梗、赤川では水車を用いた精米、澱粉事業、本町方面には古くから良質粘土を原料とした有名な製瓦工場と、近代的なミルクプラントをはじめ各種の小工場が進出し、港町方面にも各種食料品工場が設立され、のんびりした農村であった亀田村の一部にも工業の息吹が感じられる。
 冬期間は各所の池を利用した天然氷が切り出され、それを運ぶ馬橇の鈴の音が深夜までひびいているという村であった。