赤川は古くから植木栽培の適地として、農家が副業的に栽培を営んできているが、将来の所得拡大と観光地を目的とした大がかりな植木見本園を作ることが計画され、三十六年から準備を整え、三十八年には全国唯一の埼玉県県営安行植物見本園の柴園長が来町の際、当町特に赤川地区が植木栽培の好適地であるとの折紙がつけられたことから、将来ますます有望なものと予想して、植木栽培に関する現在までの経験と栽培技術を生かして、これを実用産業として発展させるため、グループ組織での研究活動を進めた。
この見本園に栽培展示される植木は、観賞用はもちろんのこと、垣根などに用いられるものも含めて一八〇種類を予定したもので、北海道に生育するこの種のものをほとんど栽培しようとするものである。更にこの見本園の果たす役割は、
○この地域に栽培される植木の手入れ方法の研究
○各戸の栽培の標本としての役目を持ち
○なおかつ需要供給のバランスを取りながら
○技術的研究の場としても一般に広く利用してもらおうとするものである。
また見本園の設置場所は赤川の近江慶市の所有畑一〇アールに植付けることが決まり、なおこの見本園を強力に推進するために、「亀田町植木栽培研究会」が発足した。この研究会と町の協議によって具体的計画も練られ、三十九年春には見本園整地その他必要な施設も整い、埼玉県安行植物見本園の指導によって、導入苗木の発注なども完了している。そして五月植えつけの終わったものは「大王松」をはじめ約八〇種類の苗木で、将来ここに栽培展示される植木造園の基礎ができあがった。