昭和四十五年十月(国勢調査)の労働者就業状態調査にみられるように(労働就業者二一、六七八人で人口の四二・五%)労働者の多い本市では、特に潜在する婦人の労働力を生産面に結びつけるとともに、家庭経済の援助にもなるようにとの配慮で、昭和四十七年五月から道内初めての「婦人内職相談所」を市役所内に設置し、毎週火曜日と金曜日に相談指導が試験的に行われた。
また内職を希望するが技術がないという婦人のためには、技術講習会を開設して婦人の希望に応じ、内職者には「家内労働者手帳」を発行し便宜を図っている。これら内職希望者の理由別人数をみると、次のようになっている。
内職希望者理由 (昭和四七年七月一日現在 資料‥市労政課)
技術を身につけたい 二八人 二二・九%
ひまがあるから 二八人 二二・九%
小遣銭が欲しいから 一八人 一四・八%
世帯主の収入が少ない 一八人 一四・八%
特別支出を要する 一〇人 八・二%
学資を得るために 六人 四・九%
主人と死別(離別) 四人 三・三%
その他 一〇人 八・二%
総 数 一二二人 一〇〇%
なお、その後の婦人内職相談の経過をみるに、昨年は試験的発足であったが、婦人層から大好評を受け、大いに活用されてきており、四十八年に入ってからの取扱い件数も、五月末日で二〇二件を越える状態となった。このことは、当時の物価高騰、一般家庭における潜在労働力の伸長が一層の拍車をかけ、収入面でもより豊かな生活を求める婦人たちは、技術を身に付けた中で、しかも収入増が図られ、あわせて楽しい生活が続けられることを高く評価しているためである。また労働不足に悩む市内中小企業からも大いに喜ばれている。再調査による内職希望者理由別人数をみると次のようになっている。
内職希望者理由別人数 (昭和四十八年九月一日現在 資料‥市労政課)
技術を身につけたい 四六人 二〇・四%
ひまがあるから 五六人 二四・八%
小遣銭が欲しいから 四一人 一八・一%
世帯主の収入が少ない 二五人 一一・一%
特別支出を要する 二五人 一一・一%
学資を得るために 二二人 九・七%
主人と死別(離別) 八人 三・五%
その他 三人 一・三%
総 数 二二六人 一〇〇%
また、内職登録人員も、同年五月末現在で三一〇名で、その内訳は次のようになっている。
二〇歳代 一二七名 四一・〇%
三〇歳代 一一八名 三八・一%
四〇歳代 四七名 一五・一%
五〇歳代 一八名 五・八%
計 三一〇名 一〇〇%
この登録人員のうち、二〇歳代から三〇歳代前半にかけての主婦が多く、家業別ではサラリーマンの主婦が大多数を占めている。