実態調査準備

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 村では、昭和三十三年七月一日からの国民健康保険事業実施を予定し、同年四月までに、全世帯を対象に実態調査をしたが、その主目的は国民健康保険を実施するに当り、必ず加入しなければならない該当人口、世帯数、保険料算定の基礎となる医療費実態などの把握をすることである。調査内容(調査表記入要項)をみると次の事項を挙げている。
 
一 世帯調査表
 ア 住所、氏名  イ 村税年額  ウ 世帯構成員氏名  エ 職業、勤務先  オ 他の社会保険など加入の有無
 
二 医療実態調査
 ア 三十二年十月中における病気の有無
 イ 治療方法
 ウ 十月中に要した医療費および支払方法
 エ 国民健康保険実施に対する可否
 オ 国民健康保険実施に伴う平均四、〇〇〇円の保険税の負担能力
 
 実態調査による事業計画に基づき、実施に入った三十三年度後期の実績状況については、三十四年三月十二日から開催された定例第一回村議会における近江村長の『昭和三十四年度予算編成方針』概要説明の中で次のように述べている。
 
(国民健康保険事業特別会計の項)「国民健康保険事業は、昨年七月実施以来順調な運営を続けており、同年十二月までの六か月間の利用状況は、患者数延べ五、四〇二名、これが診療費総額七五三万二、六四七円に達し、これに対する保険給付額は三六五万五、四九三円で、その他助産費五二件、葬祭費一七件であり、医療費の負担軽減に大きな役割を果たしている現況である。
 昭和三十四年度新予算は、平年度化したので、予算総額は一、四三七万九、〇〇〇円となり、役場費一二一万五、〇〇〇円、給付費一、二一六万四、〇〇〇円、保健施設費三一万二、〇〇〇円、その他三三万八、〇〇〇円の内訳となっている。
 これに充当する財源は、加入者保険税七九九万九、〇〇〇円、国庫より四八六万八、〇〇〇円、一般会計よりの繰入金一五〇万円、その他で収入支出の均衡を図っている。」
 
 なお、被保険者が健康保険で医師の治療を受けた病気の主なるものについて、三十四年四月より八月末の分を抽出してみると次のようになっている。

被保険者疾病状態(昭和三四年四月より八月末)

医療費給付状況では、
  三十三年七月より三十四年三月までの九か月間  一、二八〇万円
  三十四年四月より同九月までの六か月間で九七〇万円
 となっており、月平均に比較すると、昨年度は一四二万円、今年度は一六二万円で、昨年度に比較して月額二〇万円増加している。