十二月七日、第三回懇談会において、亀田村側から提示の条件案につき市側からの回答を得、翌八日文書により回答があった。
条件案(昭和三十二年十二月七日亀田村側から提示の分)
さきに函館市から回示を受けた受入れの構想は全面的に了承し、更に次の条件を附加する。
1 農林部を設置すること。
2 土木事業については亀田側の要求に基づいて整備すること。
3 受入れの構想に示している諸条件の実施の時期を明示すること。
4 人口密集地帯に対する施策として、
ア 公立保育所を字本町地区に設置すること。
イ 五百人程度収容できるホールを有する公民館を設置すること。
ウ 道路下水を整備すること。
エ 昭和三十四年を目途に現在の亀田高等学校を基本にして高校を設置すること。
5 消火栓及び消火施設を早急全村的に設置すること。
6 市営蔬菜市場を急速に設置すること。
7 常備消防の部又は分遣所を本町地区に設置すること。
8 七五郎沢ダムに援助を願いたい。
9 無電化地帯を解消されたい。
10 受入れの構想中「トラックター」とあるを「トラックター及びブルドーザー」とすること。
11 灌漑用水確保を保障すること。
12 牧野組合に補助すること。
13 亀田村農業委員会を合併後もそのまま存置すること。
右の条件に対する函館市からの回答
1 市が提示した構想の早期実現を図ると共に亀田村が提示した条件は全部了承する。
2 実施の時期
ア 本町地区水道及び消火栓の敷設工事は合併決議の翌日から着手し、その他の近接地区は本町地区施行後継統して実施する。
イ 市営蔬菜市場については既存業者との関係を速やかに調整し急速に実現するよう努力する。
ウ その他については合併後設置されたる特別委員において決定する方針に則り、既存の亀田村振興五か年計画を十分考慮の上、年次計画を樹て大体五か年程度で完全実施する。
3 その他
ア 固定資産税については評価額その他すべて亀田村における現在の方針を踏襲する。
イ し尿については、現在化学処理の方途を研究中であるが、亀田村における年間需要量の確保、単価等については特に要望に添うよう努力する。
ウ 合併後の各種委員の選任については要望に添うよう努力する。
エ 村職員は現員現給で引継ぐとともに、調整を行う場合においては不利益処分等の方途はとらない。
以上回答申上げた次第でありますが、その内容中きわめて常識的な事、或いは微細に亘る事項については省略いたしますが、かかる事項についても常に合併後設置される特別委員会の審議決定方針をあくまで尊重し、積極的に実施することを重ねて申上げまして条件の回答といたします。
昭和三十二年十二月七日
函 館 市 長 吉 谷 一 次
函館市議会市町村自治
振興特別委員会委員長 高 木 直 行