合併気運中断

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 合併問題について、議員請求による臨時第一回村議会が二月二十日に開会した。
 十八日に続いて、この日も反対派の村民が会議室に押し入って議席を占領した。傍聴人席に座るよう説得し、定刻より、三時間半遅れて午後になって開会した。傍聴人席は婦人だけにしたが、議会外にいた反対派村民が騒ぎ、不穏な空気の続く中で議事が進められた。
 井上委員長より市村合併調査特別委員会の審議の結果として、
 
1 当委員会は現在までの調査、研究、接渉の経過ならびに村内の諸状勢を判断し、四月下旬執行の地方選挙終了後に検討することとし、この問題を一応打ち切ることを至当と認める。
2 従って当委員会に付託された本村と函館市との合併に関する陳情、要望については、右の結論に基づき、当委員会としては審議未了である。なお、この報告をもって、当委員会の一切の任務終了を確認されている。
 
 以上により、委員長報告どおり決定して散会した。
 三十三年一月、特別委員会が設置されてから一年二か月間、合併に関する調査、研究、接渉に努力し、「合併に関する資料」を五回にわたって詳細に臨時村報(合計一三四ページ)として発行するなど、委員会の活動はまことに注目すべきものであった。
 しかし、混乱の続いた二月二日の公聴会、同月十八日の特別委員会、同月二十日の臨時第一回村議会における反対派村民の議事妨害等をした者の告訴に関し、三月三十日の村議会において多数をもって決定する問題なども生じ、半面地方選挙を四月に控えている事情なども勘案し、特別委員会の審議を一応打ち切ることとなり、函館市に対し、「合併交渉は四月下旬の地方選挙終了後再検討する。」旨を通知した。
 これにより、函館市議会の市町村自治振興特別委員会は三月解散することになり、合併の機運が一時中断される状態となった。