函館からの要望書

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 これより先、六月十三日、函館市の「亀田町函館市合併促進期成会」の高木直行会長から、町議会議長に対し、次のような要望書の提出があった。
 
       亀田町函館市合併の早期達成について
   亀田町と函館市の合併問題は、両地域住民にとりまして永年に亘る懸案の重要課題であり、合併論の抬頭以来幾多の紆余曲折を経て、未解決のまま今日に到りました経過は既に御高承の通りであります。
   しかしながら、大局的見地に立って本問題を考えます時、最早枝葉末節論を弄する段階ではなく、前向きの姿勢で合併の早期達成に踏み切るべき時期に立ち至っているものと思料いたします。
   今更申し上げるまでもございませんが、南北海道の開発拠点となるべきこの函館地方が、今後の経済発展と住民の福祉向上を真剣に考慮するならば、函館市を中心に隣接町村が一切行きがかりを捨てて大同団結し、函館圏の綜合開発計画を即時実行に移すことこそ極めて肝要であり、いささかの逡巡も許さぬ情勢にあると存じます。
   このことは特に関係の深い亀田町と函館市の大半の住民が予てから合併の必要性を痛感しており、相互に合併による利害得失論を超え、早期実現を渇望しているわけでありまして、本市におきましては、去る四月十四日、民間諸団体が中核となり、「亀田町函館市合併促進期成会」が発足致しましたことは、この地域住民の切なる願望と世論が具現されたものであります。
   更に又、亀田町におきましても現在澎湃として興りつつある早期合併待望論をバックにして、遠からず町民による合併促進期成会が誕生することも察せられます。
   つきましては、貴町におかれましては、これ等世論を無視されることなく、地域住民の真剣な悲願とも言うべき永年の要望を洞察賜り是非共勇断をもって合併実現を目指して具体的施策に取組み一日も早く函館圏建設の基盤を確立し、地域経済の振興と住民の福祉増進のため積極的措置を講ぜられますよう強く要望申し上げる次第であります。
       昭和四十三年六月十三日
             亀田町函館市合併促進期成会長 高 木 直 行
        亀田町議会議長 藤 谷 久三郎 殿