四つの記念行事

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[亀田市概図]

 新生「函館市」の発足に当って次の行事が行われた。
 
  1 函館市亀田支所開所式      一日午前九時半  亀田福祉センター
  2 合併に伴う事務引継書調印式   一日午前十一時  市民会館
  3 合併記念祝賀児童生徒交歓会   一日午後二時   亀田小学校
  4 合併記念式典、合併記念祝賀会  十日午前十時   市民会館
 
行事の模様を北海道新聞は次のように報道した。
 
   函館、亀田両市の合併により、一日から亀田市が消滅、道南の地に三十万都市函館が誕生した。この日の新函館市は朝から亀田支所開所式、辞令交付、事務引継ぎ書調印式、祝賀パーティー、児童生徒交歓会と、あわただしい動き。矢野市長をはじめ、吉田顧問(前亀田市長)ら関係者は三十二年前からの懸案事項にようやくピリオドを打った喜びにひたっていたが、市内には“合併祝賀”の看板ひとつ見られなかった。「函館、亀田はもともと一つ」という意識があるためか、市民の受け取り方も冷静そのもので、お祭り気分の市当局者と好対照を見せていた。
   亀田支所の開所式には、窓口関係を除いて約四百人の職員が出席、矢野市長から部課長二十五人を含めて三百十五人に辞令が交付された。合併によってなくなった議会事務局、選挙管理委員会、監査委員会の職員を除くと配置転換はほとんどなかったが、それでも各職員はこの日から函館市に属するということで、いずれも緊張した表情。矢野市長の「合併したとはいえ、難問は山積している。住民福祉と地域発展のため一層尽くしてほしい。」、吉田顧問の「一日も早く函館市の職員になりきり、三十万都市の建設を。」という式辞に、じっと耳を傾けていた。
   つづいて午前十一時からは場所を函館市民会館に移して、合併に伴う事務引継書の調印式。スポットライトに照らされて矢野市長と吉田顧問が調印、握手をかわすと、会場からは拍手が起こった。以下、収入役、教育委員会委員長、選管委員長、監査委員が次々と調印、引き継ぎをすべて終えたところで、祝賀パーティーに移った。
   会場には合併に最後まで反対した田中本司郎市議らも出席していたが、吉田顧問の音頭で一緒に乾杯。矢野市長、原田支所長らもようやく肩の荷をおろしたとばかりにホッとした表情で、談笑しながら、ビールをのみほしていた。このあと、同じ会場で函館市議四十四人と旧亀田市議二十九人の初顔合わせも行われた。また、午後二時からは亀田小学校体育館に四百人の児童生徒を集めて交歓会が開かれた。函館側を代表して深堀小六年山田浩禎君、亀田側から昭和小六年金山尚美さんが「仲良くやっていきましょう。」とあいさつ。児童生徒代表八人によるペナント交換会があり、器楽、吹奏楽演奏によって祝賀気分を盛り上げた。しかし、こうしたお祭り気分とは逆に、市内には“合併当日”をうかがわせるものはまったくなく、駅前の繁華街にも歳末商戦の看板が出ているだけだった。(昭和四八年一二月二日)