縄文時代早期末頃には、北海道東部地方の文化との交流がみられ、津軽海峡に面した丘陵上に居住した人びとに影響を与えている。そして、海峡を越えて東北地方北部の太平洋側にまで文化の影響が及んでいることが明らかとなっている。また、続縄文時代の恵山式および後北式(江別式)土器などが広く東北地方から北陸地方まで分布することも判明している。これら北海道源流とされる文化の移入が東北地方の各地においてみられることは、海峡を挟んだ文化交流や交易の姿が、南から北への一方通行的なものではなく、その反対の流れもあるなど、相互にわたって往来があったことを物語っている。