津軽海峡の存在は文化の断絶とはならずに、むしろ活発な交流や交易が行われる要所であった可能性が大きい。この海峡を渡航・往来した人びとは、物と物の交換のためか、あるいは産物などの獲得のために移動していたものと考えられる。おそらくは、海峡を越えることが状況によってはかなりの危険を伴うものだったであろう。これらの人びとが求めていたものは一体何だったのだろうか。今のところ明確なことは判らない。なお、どのような移動の形態や交流の実態があったのかについては、今後の調査により、次第に解明されるものと思われる。
海峡を往来する人と物の移動