これまで見たように、函館周辺の地も、汎地球的な海面変動や日本列島全体の動きと直結した地殻運動、あるいは氷期を挟むダイナミックな気候変動の影響を強く受けてきた。とくに最終間氷期以来これまで約一二万年間のさまざまな動きが、直接に現在の函館の土地環境を決定づけてきたといってもよい。ここでは、いまだ不確実な点を多々残すものの、環境変遷の画期をなした約一二万年前、約八万年前、約二万年前、そして約六〇〇〇年前を取り上げて、かなり大胆に当時の地形環境を復元してみたい。
[函館・銭亀沢の地形環境変遷]