五月から八月の空港の低温は、最高気温が、美原よりも約二度も低いことによる。一方、厳冬期の低温は、空港の最低気温が美原より低くなっていることによる。
夏日は一日の最高気温が二五度以上の日、真夏日は三〇度以上の日をいい、それぞれ夏と真夏の暑さや期間を示す目安とされている。一方、冬と真冬の指標としては、一日の最低気温が氷点下(〇度以下)の日を冬日、最高気温が氷点下の日を真冬日としている。
図2・2・5によると、空港での夏日は美原の約三分の二で、出現期間も一か月短い。真夏日は一夏で一回あるかないかの少なさである。冬日の日数や期間では空港と美原に大きな違いはない。しかし、一月から二月の真冬日は美原より少し多めである。
以上から気温に関しては、銭亀沢は、五月から八月の初夏から盛夏期に日中の最高気温があがらず。真夏日もほとんどなく、美原よりかなり涼しいことがわかる。これは、後述するように、冷たい海上から吹いてくる東風の影響や、下層雲による曇が多いことの影響である。一方、十一月から三月の寒候期は、美原と大差ない、もしくは幾分暖かい気温だが、厳冬期の最低気温は美原より低くなることがある。これは冷たい季節風が吹きつけることにより、冷え込むのだろうと考えられる。
図2・2・4 平均気温,最高気温,最低気温の季節変化
図2・2・5 夏日・真夏日および冬日・真冬日の日数