暴風・高波

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 台風や猛烈に発達した低気圧の通過、冬季の強い季節風、活発な前線の通過などが原因で暴風や突風が吹き、海岸には高波が打ち寄せる。海岸に沿って広がる銭亀沢地域では、暴風・高波の災害が最も多く、災害の全数の半分以上を占める。その中でも、秋から冬にかけて、発達しながら接近する低気圧や、強い冬型気圧配置の時の季節風によるものが最も多く、約七割を占める。
 過去の調査によれば、津軽海峡沿岸の松前から恵山の海岸一帯は高波の被害が多く、十勝や日高の海岸の二倍の頻度で北海道一である(札幌管区気象台『北海道沿岸の波浪に関する調査』一九六八年)。海岸線一〇〇キロメートルあたり年間一二・二回、なんらかの被害を生じているという。
 暴風・高波災害は建造物や海岸、道路などへ直接の被害を与えるとともに、漁場を荒らすことで、水産関係にも大きな影響を及ぼすことがある。