朝焼け・夕焼け

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  朝のテカテカ婿泣かせ              【根崎】
  東(朝の)こがれはその日の雨          【志海苔】
  西こがれば風と晴               【志海苔】
    *テカテカ…太陽の照る様、こがれ…朝(夕)焼け
 
 これらは、日本のみならず外国でも共通したことわざである。夕焼けは、西の空が晴れており、これから晴天がやってくることが多く、反対に朝焼けの場合は、東の空が晴れているが、晴の範囲がすでに東へ去って、天気は下り坂となっていることが多い。
 特に道南地方で朝焼けのあとに雨が降りやすいのは秋であるといわれている(滝波千之介・佐藤完・鳥居貢『道南天気ことわざ(解説編)』(私家版))。大陸から冷たい空気が海を渡って来るときに下層から暖められて、不安定な成層状態となる。朝方はまだ陸地が冷えているから雲も発生せずに陽がテカテカ照っているが、日中になり気温が上昇するにつれて対流性の雲が増加して、思いもかけないにわか雨となるわけである。