春-低気圧の発達

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  春のクダリは時化となる            【志海苔】
  大時化はヒカタだ               【銭亀沢】
  ヒカタ波は逃げるずえなし津波の        【志海苔】
    *ずえなし…末なし、他の手段がない。
 
 春になると低気圧は日本海を北東に進み、時として大発達し、低気圧の南側では南西から南の強風をもたらす。津軽海峡は南西方向に開けているので、この方向からの風は障害物なしに海岸まで吹き付け、うねりを伴った大波が打ち寄せる。「ヒカタ波」の大時化への警戒を促すことわざは、「シカタ風は命とり」(東戸井)、「春のシカダと冬のアイシモ大時化のもと」(恵山)など、他所にも残っている。