〈鰈手繰網漁業〉

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 この頃になると、函館市街地における鮮魚需要の増大にともない、鰈、鱒、時不知(ときしらず)、ほっけ、その他魚類を対象とした漁業がおこなわれるようになった。たとえば、鰈手繰網、鰈手釣り、鱒落網、さより縄・地曳網、蛸いさり漁業などである。中でも鰈手繰漁業(一人ないし二人乗りの磯船を使用)は、市街地に近い宇賀地区が盛んで、通常一五、六隻の漁船が操業し、盛漁時には四〇隻におよぶ船が操業した。銭亀沢地区でも、昭和八年には二五隻が出漁した。