漁獲されたイワシは、カタクチイワシとマイワシであるが、マイワシが主体であった。カタクチイワシはマルイワシ、セグロともいわれ、油が少なく煮干しに適していた。マイワシは、カタクチイワシより魚体が平べったいことからヒラゴといわれた。大きさによりオビラゴ(大羽イワシ)、チュウ、ヒラゴ(中羽イワシ)、コビラゴ、ゴドリ(小型のイワシ、遅くに漁獲される)といわれた。冬至イワシになると魚体が小さくなった。これらのうちヒラゴイワシはイワシ漁の中心で、イワシ粕と魚油として出荷された。
オビラゴは早い時期に来ることが多く、春先にはゴガツイワシとして刺網で漁獲し、生で出荷する事もあった。また、魚体の側面に七個の斑点があることからナナツボシともいわれた。