根崎では網はオカまで引いた。大漁の時には、途中でフクロをはずして汲み取ったりした。女の人たちがタモカツギといって海に入って、若い者たちがタモでくんだイワシをオカのナツボまで運んだ。ナツボは浜に杭を立てスダレをまわして作った。これはオカマワリの仕事であった。
フクロが二つの時にはサンパで切り離して沖に出しておく。オカのフクロを処理した後で沖のフクロを引いて処理する。
オカに来るとフクロを切り離し、網を整理し、サンパに積んで次の漁に備えた。イワシが来ればまた出漁した。イワシを整理するまでは沖に待機した。その間も、ヨミブネは沖でイワシを見張っている。
イワシはショイイタにカツギタモで入れ、ナツボに運んだ。カツギタモを扱うのは若い衆の仕事であった。綱を引く時にはブカタの家族などが手伝いに出るが、これらの人にはその場でイワシを現物支給した。この分配は納屋親方の裁量であった。