〈ナヤ〉

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 イカを干す場所をナヤといった。ナヤは海岸に作った。一軒分で幅六間、長さは浜までの距離であった。これは、個人が村役場に申請し、金を払って借りる形をとった。のちには組合が一括して申請した。
 ナヤは杭を立ててその上に桁を渡し、その下に中間縄(ちゅうけんなわ)を六段から七段張った。杭の間隔は一五尺。杭はナラ、イタヤ、タモギなどの樹木で時期になれば注文に応じて、業者が山から馬車で運んで来た。一軒で三段(三列)一段四間桁二本で八間の長さになった。