乾燥・出荷

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 コンブを乾燥する場所を干場(かんば)といった。干場は現在は砕石(バラス)を敷いて造成しているが、以前は砂場であった。
 昔はニシン場に行く前に、干場の砂ショイといって、浜の砂を干場に運び、干場の整備をおこなった。しかし、「砂こすり」といってコンブについた砂をタワシで落とす作業を省略するため、昭和三十年代以降バラスを入れるようになった。干場は自分の持ち浜で足りない場合はほかから借りる。現在は台地の上にも干場を作っているが、かつては海岸で足りた。
 船からコンブをあげて干場まで運び広げて乾燥するのは人手のかかる作業で、一家総出でおこなった。天候にもよるが、乾燥には二日くらいかかった。雨の日はおおいをした。白く粉をふくと品質が落ちる。

図3・2・7 コンブ採取具(『北海道漁業図絵』明治13年)