〈ウニ〉

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 近年はアワビに変わりウニの重要性が増している。ウニにはイガの長いノナ(ムラサキウニ)、イガの短く赤いガゼ(バフンウニ)の二種類がある。ガゼはシオカラ用で、ノナはシオカラには向かない。
 かつてはウニは、コンブを食い荒らすため、嫌われていて、現在のように高価に取り引きされることもなかった。そのため重要な漁業とは考えられていなかったし、とくに漁期も定められていなかった。
 ウニはいくらでもとれ主にシオカラとして自家用にした。ウニを生で食べることもあったが味噌煮がおかずに良かった。商売にする時には、主に湯川の旅館に卸すことが多く、ウニをむいて根崎のショイコに売った。
 ウニは、主にヤス(ウニ用の四本ヤス)でついてとり、これをガゼツキといった。また、タケの三本ヤスで挟んでとることもあった。現在はタモでとることが多く、アワビと同様にハサミを使用することもある。ウニは昔はハッシャクと呼ばれる桁網でとったこともある。また、ウニカゴ(ガゼカゴ)を使ったこともある。
 また、オカ突きといって、磯を歩いてとることもある。これは組合員の家族がおこなうことができた。
 現在のウニ漁は、旗持ちが沖に出て海底を見て状態が良ければ沖で旗を上げてから下ろすと開始になった。これは午前六時半から一〇時までで、旗が上がれば終了となる。
 ウニの漁期は時代によって変わるが、おおむねムラサキウニが九月から翌年二月、バフンウニが五月から七月いっぱいといったところである。