十五夜には、月見団子、ブドウ、リンゴ、ナシ、トウモロコシ、枝豆を供えた。月見団子は米粉で作り、直径四センチメートルくらいのものを五個あげた。果物はお盆にのせ、その上にゆでたトウモロコシと枝豆をのせた。お月様に上げたものは長男が食べ、神様や仏様に供えたものはそのほかの家族が食べた。
秋彼岸には、仏様に家に来てもらうので、彼岸明けまでの一週間は毎朝団子を作って供えた。朝に上げたものは翌朝に下げ、すぐ新しく作った団子を上げた。団子は長さ四、五センチメートルで、米粉で作り、丼に七個ずつ盛り、二つ上げた。仏様から下ろした団子は焼いて、醤油や砂糖をつけておやつとして食べた。特に子どもたちは大喜びで食べたという。