春早い頃に採れる山菜はヨモギ、ボンナ、セリ、アザミ、コジャク、シドケ、タラの芽などであり、汁の実、おひたし、和え物などに用いた。タラの芽はてんぷらにしても美味だった。ヨモギは餅や団子に入れたり、干して正月用に貯蔵した。
春、五月過ぎに採れる山菜は、ワラビ、ゼンマイ、タケノコ、ウド、コゴミ、フキ、アズキナなどである。これらは主に汁の実、和え物、煮物、おひたし、塩漬けなどにした。フキ、ワラビ、ゼンマイなどは干しておいて一年中食べた。一週間くらいかけて干しワラビと干しゼンマイを各三〇束くらい作った。タケノコではかやくご飯を作った。
夏にフキ、スカンポ、コゴミ、ミョウガなどがとれた。ミョウガは酢の物にした。またスカンポは生でも食べたがフキ漬けに酢の代わりに用いた。
秋にはボリボリ、マイタケ、シメジなどの茸がとれた。また、秋のカタクリは汁の実に入れたり、デンプンもとった。茸類は汁の実、佃煮、煮物にしたり、塩漬けにして貯蔵した。
果物は、春にイチゴ、夏にスモモ、グミ、カリンズ、イチゴ、秋にはブドウ、ナシ、コクワなどがとれた。ほとんど生食した。スモモは漬物に、カリンズやイチゴはジャムのようにしても食べた。