春の海藻類は、ミミノリ、フノリ、ワカメ、ヒジキで、汁の実に用い、乾燥して貯蔵もした。ヒジキやワカメは煮物にも用い、ワカメはおひたしや塩漬けにもした。
夏にはテングサがとれ、トコロテンにして食べた。
夏から秋にかけてはコンブをとった。コンブは煮物にしたり、また乾燥して煮出しとして用いた。生コンブは二日くらい干し、朝つゆにあて、湿らせて、巻いて、のばし、砂を落として、五〇センチメートルの長さに折って、二、三回押して整えた。これは女たちの仕事であった。
冬には寒ノリをとった。潮が引いて岩が出たら女たちが軍手をはめてノリとりをした。汁物にしたり、青ノリは佃煮にした。八杯汁にも入れた。黒ノリは干した。多くとった時は売った。