〈ニシンの飯ずし〉

361 ~ 361 / 521ページ
 ニシンを三枚におろし、三、四センチメートルに切り、約半日間、三回ほど換水しながら冷水にさらす。水をきって深めの容器に入れ魚が浸るくらいに酢を加え、さらに塩を加える。蓋をして約半日間軽く重しをしておく。
 一方、一升分の飯を人肌程度に冷ましてから約五〇〇グラムの麹を混ぜてそのまま約半日放置する。太めの大根三本、人参適量、生ショウガ約五〇〇グラムを千切りにし、塩を混ぜ、隠し味に砂糖を少々加える。次に麹入り飯に酒を五合くらい混ぜてなじませ、しんなりした野菜を混ぜ、塩で味をととのえておく。
 すし樽に笹の葉を敷き、野菜入りすし飯を入れてその上に酢水をきったニシンを身の方を下にして万遍なく並べ、その上にさらにすし飯を敷く。これを交互に繰り返す。上層は野菜類を多めにしてすし飯をかぶせる。笹の葉を敷き詰め、その上に「サンブタ」をのせ重しをする。重しは一日目は一個、二日目は二個、三日目には三個と、徐々に増やしていく。重しが偏らないように気をつける。
 水の上に「カムリ」が少し上がり、よい香りがでる頃を、出来上がりの目安とする。上の「カムリ」をとり、樽を少し傾けて上の水を容器にとる。すしを取り出した後、平らにし容器の水を上に戻し、「サンブタ」をのせて重しをしておく。
 鮭の飯ずしやサバの飯ずしも作ったが、その作り方はニシンの飯ずしの場合と同様である。