〈べこ餅〉

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 鍋に水と白砂糖(白餅)または黒砂糖(黒餅)を入れ、沸騰させた後、分量の粉を少しずつ入れ、箸でかき混ぜながら粉を全部入れ、透明になったら火を止める。その後ボールやまな板の上でこねる。白と黒の餅をそれぞれ四等分し、交互に重ねる。それをさらに四等分し、好みの大きさにちぎり、木の葉形に形を整えてからスプーンの柄などで葉脈を入れて、蒸し器で一三分から一五分間蒸す。蒸し上がった餅を笹の葉の上に乗せる。現在はべこ餅用の粉が売られているが、以前は粳米と糯米を半々に混ぜて、前日からうるかして、女臼でついて粉にした。女臼は途中がくびれた粉つき専用の臼であり、杵の形に合わせて底がとんがっている。これに対して形がずんどうの臼は男臼と呼ばれ、餅つき専用である。
 べこ餅約三〇個分の材料は粉六〇〇グラム、水五〇〇グラム、白砂糖二五〇グラム、黒砂糖二〇〇グラムである。