〈トコロテン作り〉

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 夏には海でテングサをとり、それでトコロテンを作った。浜に寄ってきたテングサを拾って水洗いしてから、雨ざらしにする。この操作をテングサが白くなるまで繰り返し、乾燥させる。使用する時に、テングサの根元についている堅い「カキ」をとる。テングサ二〇〇グラムを米のとぎ汁に一晩浸して、もどし、洗ってから鍋にいれ、水五升と大豆または糯米を一つかみ加えて、大豆または糯米が軟らかくなるまで煮る。沸騰したら酢二〇〇ミリリットルを加えて加熱する。大豆が軟らかくなったら火から下ろし、晒(さら)し木綿の袋に入れて漉(こ)す。その漉した液をバットなどに流し入れて水で冷やして固める。