法事に供える伝統的食品であり、仏前に鯨をそのまま供えられないので、代わりに供えたという。
材料の粉は糯米六に対し粳米四、または、半々に混ぜて搗いて粉にしたものであるが、現在では市販されている「べこ餅の粉」を用いている。作り方の要点は褐色餅と白色餅をを重ねて中心となる層を作り、緑色と桃色の餅で彩りを添える。
まず、褐色の餅は米粉に黒砂糖をよく混ぜ、ある程度まとまったら粉の真ん中に熱湯を加え、さらに全体がまとまるまでお湯を少しずつ入れながらかき混ぜる。軟らかすぎた時は小麦粉を加えて硬さを調製する。白色の餅は、米粉に白砂糖を混ぜて、褐色の餅の場合と同様に作り、その一部をとって緑色と桃色に着色する。
なお、粉一キログラムで三〇個を作る場合の分量は、褐色餅が粉六〇〇グラム、黒砂糖四二〇グラム、塩小さじ半分、熱湯二六〇ミリリットル、白色餅は粉四〇〇グラム、白砂糖三〇〇グラム、塩小さじ半分弱、熱湯一七〇ミリリットルであり、その他着色料少々が必要である。
以上述べた食べ物は、ケの日(日常)およびハレの日に食べられるものの代表的なものであるが、多種類の中の一部であることを付記しておく。