目次
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第四章 生活と民俗の地域的展開
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第三節 銭亀沢の住文化
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二 銭亀沢の社寺
川濯神社(古川町)
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明和元(一七六四)年の創建で、沿岸より約四キロメートル離れた山中の観音林に小祠を以て祭祀した。明治初年に村有地であった現在の社地に移遷し、三間と五間の社殿を改築したという。明治四十五(一九一二)年、再び改築遷座をおこなった。
古川と湊は十九世紀に鰯漁の発展にともなう集落人口の増加があったと考えられるが、古川川濯神社の遷座は、石倉稲荷神社の遷座に先立っておこなわれており、古川の自立過程が先行していたようである。
文献では、「
蝦夷実地検考録
」(『函館市史』史料編第一巻)に安政四(一八五七)年の記録に川濯明神社の記載がある。現在の社殿は平成三(一九九一)年に改築されたものであり、屋根は瓦葺きで、形式は権現造である。
川濯神社(古川町)