春の彼岸

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 彼岸の初日は「彼岸の入り」、まん中の日を「彼岸中日」、おしまいの日を「しまい彼岸」また「しめ彼岸」といっている。彼岸の入りには、早朝仏壇をきれいにし、ろうそくをともし、彼岸団子(中には何もいれない)・水・花・菓子・果物などを供える。彼岸中日は墓参りをする。おはぎを作り、墓前にも仏壇に供えたものと同じものを供える。
 彼岸のときの「供え花」は家の人が、また仏壇や墓前への供えものは親戚の人が供えるのがよいといわれている。
 「アラレ」はひと握りほどの「うるち米」を水に浸したり、といだりした洗い米で、彼岸やお盆などの墓参りに持参し、墓にまく習わしがある。米だけまくのと、米と野菜(なんでもよい。大根ときゅうりなど小さくきざんだもの)をいっしょに入れ物に入れてまくのがある。アラレは手にふれないように、箸を使ってまくのである。最近はアラレをまくと墓地がよごれるので、自粛するようになった。
 彼岸の中日には寺院で、彼岸法要がおこなわれる。しまい彼岸には赤飯や彼岸団子を供える。昭和五十年代までは午前中に供え物を海へ流していたが、現在は海への投棄は自粛している。秋の彼岸も春の彼岸と同じようにおこなわれる。