目次
/
第四章 生活と民俗の地域的展開
/
第五節 銭亀沢の人生儀礼
/
三 葬送
香典
428 ~ 428 / 521ページ
香典は初七日までに持って行けばよいとされたが、通夜の時が最も多かった。金額は故人との関係によって一様ではないが、戦前は親戚で一円その外は五〇銭が多く、重箱に入れた米(三合から五合)とともに持っていった。香典返しはなかったが、重箱に茶飯を入れて返してよこしたり、葬儀終了後「忌中お礼」のお札をもって挨拶に回った家もあった。贈られた香典は香典帳に記録しておいて、相手の家に不幸のあったときはそれ相応の香典を持っていった。