忌明け

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 死後の法要は俗にヒトナヌカと呼ばれる初七日に始まって四十九日までの間七日ごとに行われたが、なかでも三十五日、四十九日が大事にされた。特に四十九日は「この日まで死者の霊が家の中に留まっている」といわれ、この間家族の者は精進を守り、毎朝おくり膳を供え、神社の鳥居はくぐらず、他家の葬儀には出席せず喪に服すものとされていた。
 しかし漁家は力仕事だけに体がもたず精進料理は朝だけということも多かった。四十九日の「忌明け」には親戚縁者が集まってお経を上げ、そのあと精進落としの料理を食べ翌日から日常の生活に戻った。
 今では忌みの期間も短くなり、葬式、告別式の終了後引き続いて初七日、三十五日、四十九日、さらに百か日の法要まで繰り上げておこなうことが一般化してきている。