八艘跳びの爺様

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 けんか早い爺様で言葉よりも先に手が行く。ある時、沖にいて喧嘩したど。自分で舵取って舟のそばさ行って着かないうちに隣の舟さ跳んでしまった。八艘跳びという。鼻のびゅうってとがった天狗みたいだ鼻だった。今だに、けんか早い人を、「天狗の八艘跳び」という(山鼻節郎談)。
 
 その他に「亀太郎」「法華寺のイロハおんじ」「泣く子も黙る菩提寺の爺こ」などユニークな人がいた。
 漁師の中には、力仕事しながらもアニがバイオリンの趣味を持って、踏み台に腰掛けてバイオリンを弾きながら姉妹たちに歌を歌わせる楽しみを持つ者もいた。