穴のぞき

438 ~ 439 / 521ページ
 油売りの爺さんが油背負って出はったけ、大したきれいなお姉さんが通ったって。そのお姉さんのけっつ(尻、うしろ)をこごまってついて行ったら、一軒の家があって大した賑やかでさわいでいるんだって。爺さんが窓からのぞいたら、見てるうちに朝になったって。その窓が馬の尻の穴であった。背負っていた油が何もなかったって。人のけっつついていけば騙される(川村ヒロヱ談)。(『通観』№302)