赤ん坊をあやして眠らせるために、「泣けば山からモッコ来るじゃ、泣かないで寝んねせ」と単純な文句を繰り返して歌ったという。これは津軽・下北地方に伝わる子守り唄の一節である。モッコはお化け・怪物の意。昔から口伝えに歌い継がれ、語り継がれてきたものが姿を消し、忘れ去られている。ことばの断片すら思い出せない。子どもたちの遊びのスタイルも変わったのであるから伝承されていないのもやむを得ない。伝承遊びとして、老人クラブなどで自らあやこを作り、孫やひ孫に与えても遊び方を知らないし相手にされないのが現実である(同章第七節参照)。