銭亀町の森セツは、一七、八歳のころ、イボ(疣)が出て、恥かしくて町中を歩けなかった。すぐの兄が畑で蛇の抜けがらを見付けて、その蛇の抜けがらでこするときれいに取れた、という。
飯田由枝は、寒に入ると、健康な男の子の糞を一か月きれいな水に入れて哂す。寒三〇日哂すと、上澄みを取って哂に通して薬として仕舞っておいた。明るいところでなく暗いところにおく。熱冷まし。熱が出ればそれを飲ませた。ミミズより効く、という。表4・6・6に銭亀沢地区において聞き集めた主な民間療法を掲げた。
表4・6・6 民間療法
民間療法