恵山町域の自然災害(naturaldisaster)で活火山の恵山・駒ヶ岳に由来する火山災害、山津波(やまつなみ)(土石流・泥流)などの土地災害、地震災害に伴う津波記録などは明治以前より古文献に散見する(震災予防調査会、1918、北海道防災会議、1975・1983、気象庁、1991)。
第3章で通常われわれが自然災害と呼ぶのは、自然的作用が原動力となって人命の損傷・危害や地域社会の生活環境の破壊、あるいはその可能性を起こす災害の総称で、気象災害・地震災害・火山災害・土地災害などに分類されるものである。一方、人為的要因による災害は一般に公害(environmental disruption)と呼ばれ、両者の根本的な相違は、公害が理論上根絶できるのに対して、自然災害は原因となる自然現象を停止、消滅させることは不可能に近く、災害軽減のための防災、防衛対策が重要な課題となる。