(1) 恵山地区(調査期間:昭和57年5月〜12月)

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 図に示した調査域で、海岸線に沿って漁業協同組合前に基点を定め、100メートル間隔に8調査線(Ⅰ〜Ⅷ)を設けた。これら各調査線上に汀線を基点として25メートル間隔に距岸400メートルまでの計17地点をとるようにし、合計136の調査点について、スキューバ潜水により、1×1メートルの方形枠を置き枠内の微地形の記録を行った。
 その結果、全調査地点を通してみると砂底より岩盤底まで、極めて多様な微地形を示していたが、次に示す6つの底質型に類型化を行った。
 R型:比較的平担な岩盤底であるが、多少の凹凸も見られる。
 Se型:岩盤上に直径50センチメートル以上の転石が散在している。
 Sg型:岩盤上に直径6〜50センチメートル未満の玉石が多数散在している。
 G型:岩盤上に6センチメートル未満の中礫が多数散在している。
 S・Sg型:砂礫底で玉石がごく稀に転在することもある。
 S型:砂底で転石がごく稀に散在することもある。

図3-8


図3-9

 図3−9にこれらの底質を模式的に示した。この漁場の底質は沿岸より100〜200メートル付近まで岩盤底のR型を示し、この底質が調査範囲の大部分を占めているが、Ⅳ〜Ⅶ線の岸側に若干G型が含まれている。このR型の沖側のⅡ〜Ⅴ線にかけてはSg型が約50〜100メートルの幅で帯状に分布し、さらにⅥ〜Ⅷ線にかけてSe型が約250×150メートルの範囲を占めている。さらにそれらの沖側は、G型、S・Sg型が帯状に複合する底質型を示している。S型底質はⅠ〜Ⅴ線の沖にみられ、特にⅠ線では砂が300メートル付近まで入りこんでいる。これらから、おおむねこの漁場は距岸150メートルまで岩盤であり、その沖側は数種の底質に区分できる。各底質型の占める面積とその割合については、R型とSe型が14.4ヘクタールで51.6パーセントと半分以上を占めており、Sg型は1.8ヘクタールの6.5パーセントと最も少なかった。その他のG型は5.4ヘクタール(19.4%)、S型は2.3ヘクタール(8.3%)、S・Sg型は3.9ヘクタール(14.2%)となっている。