1990年の1月から5月までは鉛直的に均一な状態を示し、水温は約10℃、塩分は約34である。
6月以降は大気からの加熱により水温が上昇し、その後8月には表面で26.2℃、海底直上(188メートル)でも13.2℃に達し、この強い鉛直勾配は10月の終わりまで続く。一方、塩分に関しては中層以深に高塩分の中核が現れ、特に8月は34.3と周年で最大となった。
またその高塩分水の上には、4月下旬から33.8以下の低塩分水がみられ、10月には表層で33.2以下まで下がる。これは表層水と呼ばれ、降雨と河川流入水の増加によって黄海や東シナ海で形成され、その後対馬暖流の表層水として日本海を北上する間に河川水などの流入により、表層を広範囲に広がっていく。
また津軽暖流として津軽海峡を東流する際にも沿岸水や陸奥湾からの低塩分水の影響を受ける。この低塩分水は11月の終わりには消滅し、以後再び鉛直的に均一な水へと変わっていく。
図4-2