ここで密度について説明をしておこう。密度とは単位体積あたりの質量であるが、これは水温と塩分と水圧で決まる値である。塩分が上がると密度も上がり、温度が上がると密度は下がる関係にある。そしてまた表面海水の密度が上がると、海水の沈降が起こるのである。よって高緯度域で形成された高密度海水は、海底に向かって沈降し、大洋の底層水塊を形成する。これはどんな働きをするかというと、深層に溶存酸素を供給することになるのである。
恵山、下風呂間の中央よりやや南側の観測点307と308の間の表層にフロントが形成され、そこから恵山よりの観測点305〜307の海底にかけてフロント域が見られる。フロントの北海道側では水温、塩分がそれぞれ4℃以下、33.4以下、青森側では8℃以上、33.8以上となっている。また流速は観測点307では0.7ノット(5m層)であるのに対し、308ではその約4倍の2.7ノット(5m層)とフロント域の南で流速が速くなっている。
図4-5