(1)古武井川及び尻岸内川沿い周縁の林地

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 住居地域から上流は、両岸が急傾斜で迫る山間河川となっているが、河岸の狭い平地を撰んでオノエヤナギ、エゾノカワヤナギ、タチヤナギなどからなるヤナギ林、ヤチダモやハンノキの小林、また北海道では南部に限られるサワグルミの小林などの河畔林が点在している。河岸にみる緩斜面地にはブナ、ハルニレの大木を交えたミズナラ林の林分、また緩斜面に続く上部の台地には北海道の広葉樹林を代表するエゾイタヤ、ミズナラ、シナノキ、サワシバ、ホオノキ、エゾヤマザクラ、ハリギリ、ヤマモミジなど多種の広葉樹からなるエゾイタヤ−シナノキ群落が形成されていて、樹種の豊かな地域となっている。エゾイタヤ−シナノキ群落は自然生のものと、択伐などの人為干渉によって二次的に形成されたものがあるが、この地のものは人工林地周辺にみられることから、後者のものと推測できる。